虫歯病因に関するQ&A
2024/03/31
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虫歯病因に関するQ&A
虫歯に関する常識
これは日々変化していってます
みなさんは虫歯の常識がアップデートできていますか?
Q1 虫歯の原因の菌はミュータンス連鎖球菌だけ?
A ✕
虫歯の原因菌の種類は非常に多い。
虫歯の原因の菌は不溶性グルカンというものを作って、エナメル質表面にへばりつくミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans Streptococcus sobrinus)だけと今までは言われていました。
ちなみに、不溶グルカンとは歯に菌をつけやすくする粘着性の多糖体のことを指します。
また、非常に強い酸を出すラクトバチラスも虫歯の原因の菌であると、20世紀初頭から引き続き主張されていました。
しかし現在では、最強の虫歯の原因の菌は、昔と同じくミュータンス連鎖球菌とラクトバチラスですが、この2つの菌種ほど強い酸を出さない菌も、虫歯の原因菌のリストに加えられました。
新しい虫歯の原因の菌は不溶性グルカンを作る能力は低いものの、プラークの中、初期の虫歯、状態の悪い詰め物や被せ物に定着することにより虫歯を発生させます。
また、他にもいろいろな菌種も虫歯に関与していると考えられており、虫歯は複数の菌種からなるう蝕関連細菌が作ると考えられ始めています。
Q2 歯周ポケットの外側と内側のプラーク細菌の種類は同じ?
A X
歯周ポケットの外側は虫歯の原因菌が、歯周ポケットの内側には歯周病原性菌が住む。
以前に行われたプラーク細菌叢の解析は細菌培養法というもので、実際には培養できない細菌種のほうがはるかに多い状況でした。
特に、歯周ポケットの内側には空気中では培養できない嫌気性菌(酸素を嫌う菌)が多く生息していたため、歯肉緑上と歯肉緑下の細菌叢の違いについてよくわかっていませんでした。
しかし、現在ではプラーク細菌のDNAやRNAの塩基配列をすばやく判別する画期的な細菌検査法の登場により、プラーク細菌叢の解析が一気に進みました。
結果、歯周ポケットの外側と歯周ポケットの内側では性質の異なる細菌種が生息していることがわかりました。
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Q3 虫歯の原因は砂糖だけ?
A ✕
う蝕の原因は砂糖(ショ糖)だけでなく、発酵性糖質。
以前までは、虫歯の原因は砂糖(ショ糖)と考えられていました。
しかし現在では虫歯の原因菌は発酵性糖質(ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、調理でんぷん)を摂取して、酸を産生します。
エナメル質虫歯の誘発能は、
ショ糖>ブドウ糖、果糖、乳糖>調理でんぷん
の順でショ糖がもっとも高いのです。
一方、根面う蝕(歯の根っこの虫歯)の誘発能には、これほどの差はありません。
Q4 う蝕原因菌には天敵の細菌がいる?
A ◎
虫歯の原因菌に対して抗菌物質を出したり、酸を中和したりする善玉菌がいる。
以前の細菌培養法は感度が低かったので、プラーク細菌種の解析が不十分でした。
そのため、悪玉菌を攻撃する善玉菌の存在は知られておらず、善玉菌の攻撃方法も不明でした。
しかし現在では歯周ポケットの外側のプラークにはう原因菌(酸産生菌)を攻撃する抗菌物質を産生する善玉菌や、アンモニアを出して酸を中和する善玉菌がいます。
このような善玉菌が多いプラークは虫歯を起こしにくいと言えます。
Q5 う原因菌の母子伝播は絶対に避けるべき?
A ✕
それほど神経質にならなくてもよい。
以前は虫歯の原因菌は「感染の窓」と呼ばれる生後19ヵ月~31ヵ月の期間に両親(おもに母親)から伝播すると言われていました。
虫歯予防には、まず母子伝播を避けることと考えられていて、母子が食器を共有しないことなどにより、大人の唾液が幼児のお口の中に入らないようにすることがもっとも大事でした。
しかし今現在は母親からの伝播がもっとも頻度が高いものの、両親からだけではなく祖父母、兄弟、そして友人からの伝描もあることがわかりました。
一方、虫歯の原因菌の伝播はないほうがいいけれど、ミュータンス連鎖球菌だけが虫歯を起こすわけではないことがわかったため、虫歯を発症させるすべての細菌種の伝播を防ぐのは難しです。
そして、伝播しても食事指導やフッ化物の使用、適切なブラッシングで発症が予防できるため、それほど神経質になる必要はないという考えが広がっています。
過度な虫歯の原因菌の伝播予防は親子関係を損なう可能性があることも理由のひとつです。
しかし両親の虫歯治療と口腔清掃により、虫歯の原因菌の量を減らしておくことも大切です。
日々のセルフケアと定期的な歯の検診は大切ということです。
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みなさんどうでしたか?
意外と今までの認識と違っていることが多いいのではないでしょうか。
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虫歯をゼロに
門井歯科医院でした〜
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