バイオフィルムって何?
2024/07/07
ブログ
バイオフィルム???
バイオフィルムとは何か?
歯科ではこの言葉がよく出てきますが、一般的にはあまり使われない言葉かと思います。
門井歯科医院でのブログにもちょくちょく出てきますが、おそらくみなさんの頭の中には
『?』
がいくつもあるように思われます。
歯科にとっては大切なことなので、何かを今回は説明していきたいと思います。
ただ今回は専門的な用語も出てきて、やや難しいく感じる方もおられるかもしれませんがご了承ください。
バイオフィルムとは何か?
簡単にいうと
自然界における川底のヌメヌメした小石や古くなった水道管の内面、哺乳瓶の吸い口の付け根や台所のスポンジなど様々な場所に存在する細菌の集合体です。
バイオフィルムの定義はマトリックスに埋め込まれた微生物集団であり、互いに付着し物体の表面や界面に付着するものとされています。
なぜ歯科ではよく出てくるの?
歯を失う原因の大部分を占める虫歯や歯周病は基本的には細菌によって引き起こされる疾患です。
つまりバイオフィルムを克服することが大切だと考えられています。
お口の中は暖かく湿っているため、ウイルスから細菌まで幅広い微生物の成長を可能にしています。
これらの微小な組織は粘膜や歯牙の表面でコロニーを形成し、多種のコミュニティーを形成します。
それを口腔内バイオフィルムと呼びます。
バイオフィルムの内には様々な物質の勾配が存在し、様々な種類の微生物に適した住環境を提供しています。
酸素がバイオフィルム内に拡散できる場所では、好気性微生物が優勢になり、酸素が限られていたり、存在しない深さでは嫌気性の集団が繁殖します。
微生物の中には廃棄物を消費する種も存在し、それらは廃棄物を生産する細菌の近くに生息していることが知られています。
バイオフィルムの中で栄養が制限されると、低成長や非成長状態に追い込まれる細菌もあり、飢餓状態に陥った細菌は様々な抗生剤に対する感受性が著しく低下することが知られています。
またバイオフィルム内の微生物はクオラムセンシングという方法でコミュニケーションを取っていると言われており、細胞間で情報伝達物質をやりとりしていると考えられています。
昨今、個人のライフスタイルも口腔内微生物の分布と代謝に影響があると言われており、カウチポテトに代表とされる高頻度の炭水化物の摂取なども問題視されています。
唾液はお口の中の pH を中性付近に維持するのに重要な役割を果たしていますが、糖質の摂取により、プラーク内pH は
5.0以下に急激に下がり、その頻度が上がると中性付近のプラーク内では生息することができた細菌が酸耐性の菌にシフトするなどバイオフィルム内の細菌の組成に変化を及ぼします。
歯科医療に携わるものとしては、この構築されたバイオフィルムを破壊し、リスクのあるライフスタイルに対して行動変容を起こさせるような指導が必要になってくると考えられております。
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今回はやや専門的で堅く難しい話となってしまいました。
ただ、診療中は難しい話ではなくわかりやすく説明いたしますのでご安心ください。
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