オーラルフレイルと口腔機能低下症について|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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オーラルフレイルと口腔機能低下症について

2023/10/17

ブログ

お口、弱っていませんか?


まず始めに
「噛みにくい」「食べにくい」は歯科医院で相談できます。


さて、みなさんが歯科医院に来る理由は何でしょうか?
歯が痛いから治療してほしい?
歯茎が腫れて痛い?
詰め物が取れてしまったから,新らしくしてほしい?
顎が痛い?
親知らずを抜いてほしい?

などなど、歯科医院に来る理由はさまざまです。

歯科医院では歯を削ったり、削ったところを埋めたりします。
歯の抜けてしまったところに差し歯を入れたり、たとえ顎に歯が残っていなくても入れ歯を作ることで「噛む」という能力を取り戻すことができるのです。

8020運動というものがあります。
「80歳までに 20本の歯を残そう」という目的の運動です。
ヒトには通常、上下の顎に14本ずつ(親知らずは含んでいません)歯があり、合計28本の歯が揃っているのが理想です。
ただし,多少歯が欠けていても食事をとることができますし、先ほどご紹介したように,入れ歯を入れることだってできます。
この8020運動はかなり達成されており、達成率は年々増加し今日2人に1人が達成しています。
歯をしっかり残すことができているのですね。

ところで,歯が残っていることだけが、健全な食生活やそこから始まる日常生活を送れる条件なのでしょうか?
じつは、歯が残っていることだけが健全な食生活を営む条件ではないのです。

「口腔機能の低下」
「フレイル」
「オーラルフレイル」
こうした言葉を聞いたことはないでしょうか? ひと言でいうと「お口が弱る」ということです。
お口が弱ることによる全身への影響についてまずは紹介していきます。
もし気になることがあったら気軽に当院にてご相談をしてみてください。
お口からはじまる、健やかな生活が待っています。

口腔機能のチェックリスト


まず、以下をご覧ください。


①歯磨きやうがいがうまくできない
②お口がいつも乾いている,唾液が出ない
③嚙みくだく力が落ちている
④食べものが口からこぼれる、口のなかに食べものが残る
⑤舌でうまく送り込めない
⑥うまく噛めない
⑦うまく飲み込めない、ムセたり時間がかかる



これは、おもに口の環境や機能(口腔機能)に関したチェックリストです。
最近、こうしたことを感じたり、あるいはすでに気になっていた、ということはありませんか?
まだまだ些細なものかもしれませんし、あるいは、すでに症状が大きくなり、お食事や日常生活に支障をきたしているという段階かもしれません。
まずは,ご自身の食事の場面などを振り返り考えてみてください。




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解説


これからご解説するのは口の機能、つまり「口腔機能」の低下についてです。
こうした口腔機能の低下が、場合によっては全身の健康状態にも影響をしてきます。
しかし、口腔機能の低下は歯科医院で改善することができます。
今回のブログはそうした課題への「気づき」と「対応」に一歩踏み出すための項です。



チェックリスト①と②

①歯磨きやうがいがうまくできない

「お口が弱っている」「お口の機能が落ちている」というと、固いものが食べられなくなったり、食べる量が減っていたりするということを想像されるかもしれません。
もちろん,そうしたことも大切なことです。
しかし、食べものを口にするまえに、口が弱っていると気づくポイントがあります。
たとえば、お口の中が「磨き残しが多い」かどうか。
食事をした後には歯磨きやうがいをして,歯や口をキレイにします。
こうした、「口のなかをキレイにする」という動作はほとんど意識することなく毎日行っているかもしれません。
しかし,歯磨きを一所懸命やっているのに、磨き残しが多いことがあります。
本来、お口には自らキレイになる力が備わっています。
唾液による洗浄能力や,口を動かすことによって自然とキレイになる作用です。
しかし、唾液が出にくくなったり、口の動きが悪くなると、途端にお口の中に磨き残しが目立つようになります。
こうしたことも、口の機能が落ちているといえるのです。


・チェック
歯磨きがキチンとできていますか?
歯を磨いたあと,食べかすがお口のなかに残っていませんか?
うがいと一緒に食べもののかすが出てきませんか?



②お口がいつも乾いている、唾液が出ない

お口の中を清潔に保つのは、歯磨きやうがいだけではありません。
実は、唾液にも重要な機能があります。
酸っぱいもの(酸性のもの)を食べたときに歯が溶けないよう、唾液がその酸を中和します。
また、噛んだ食べものと唾液がお口のなかで混ざることで、その食べものは飲み込みやすい形態にまとまり、のどを通りやすくなります。
しかも、唾液には殺菌作用がありますので、食事をしていないときでも、口のなかで悪い菌を退治してくれています。
唾液には、このようにして大切な役割を持っています。
しかし、歳を取ったり、あるいは病気や薬の影響によって唾液がうまく出なくなったりします。
こうした状態も,口腔機能が落ちているといえる状態です。


・チェック
お口がいつも乾いていませんか?
口臭を指摘されたりしませんか?
ぱさぱさしたものが飲み込みにくいと感じませんか?
入れ歯でお口のなかが傷つきやすかったりしませんか?


チェックリスト③〜⑤


③噛みくだく力が落ちている

食べものを口にしようとしたとき、まずはその食べものを一口大に噛みきります。
そうでないと、大きな食べものをそのまま口にいれることはできません。
また、口のなかに食べものを入れた時、飲み込みやすくするためよく噛みます。
こうした「噛みくだく力」は、上下の歯が噛み合うことと、口の周りのあごの筋肉が動くことでなりたっています。
つまり歯がなかったり、入れ歯がきちんと合っていないと、食べものをうまく噛むことができなくなります。
そして強い力で噛めないというように「噛みくだく力」が落ちているといえるのです。


・チェック
歯が抜けたままになって噛みにくい場所はありませんか?
入れ歯はきちんと合っていますか?
強い力で噛めますか?
固い食べもの噛み切れていますか?


④食べものが口からこぼれる。口のなかに食べものが残る。

食べものを噛んでいるとき、その食べものが口からこぼれないよう、唇がしっかりと閉じます。
口の周りの筋肉を使って、口を閉じているのです。
また,普段はあまり意識をしないのですが、お口のなかで食べものを噛んでいると、食べもののかたまりを右の奥歯で噛んだり、左の奥歯で噛んだりと、お口のなかで左右に動かしています。
また,食べものが歯と類の間に落ちないよう、頬を歯に寄せたりします。
このように、食べものをお口のなかで動かすには、唇と舌,類の筋肉が絶妙に連携することが必要です。
食べものが口からこぼれたり、口のなかに食べものが残ったりお口のなかで動かせないというのは口の周りの筋肉が弱っていたり、たくみに動かせなくなっているといえます。


・チェック
お口から食べものがこぼれたり、お口のなかでうまく動かせなかったりしませんか?
ぱらぱらしたものが噛みにくくなったりしていませんか?
食べもののかすが口に残ったりしていませんか?



⑤舌でうまく送り込めない

よく噛んで、これから飲み込もうとするとき、ヒトの口から喉にかけて,ちょっと複雑な動きをします。
まず、食べものをよく噛んで,唾液と混ぜて,飲み込みやすいかたまりにします。
そしてそれをいざ飲み込もうとするとき、舌の中央にとりまとめてひとかたまりとし、喉に送り込みます。
ただ、その舌の力が弱くなっていると、食べものをうまくお口のなかでまとめることができずに、喉に送り込むことも難しくなります。
飲み込むまでに時間がかかったり、飲み込んだ後にもお口のなかに食べものが残ることがあります。


・チェック
食事中、いつまでも同じものを噛んでいたりしませんか?
なかなか飲み込めず、食事に時間がかかったりしていませんか?

チェックリスト⑥と⑦

⑥うまく噛めない

日ごろ、食べものを噛んでいて「噛み疲れて」しまうことはあったりしないでしょうか?
また、固いものやよく噛まないと飲み込めないものを意識的に避けたりしていないでしょうか?
気がつくと,あまり噛まなくてもいい。
軟らかいものばかりが食卓に上がっていたり、のようにこうした、「噛み続ける力」が落ちているのも、口が弱っていることになります。


・チェック
固い食べものを避けていたり。軟らかいものばかりを食べたりしていませんか?
食事中に疲れてしまいませんか?


⑦うまく飲み込めない。ムセたり時間がかかる。

食べものを飲み込むとき、喉の周りは複雑な動きをします。
舌で喉の奥に押し込まれた食べものが間違って気管に入らないように、あるいは一度に大量に食べものを入れすぎて、気管の入り口を塞がないように調整します。
形のある食べものと、水のような形のない飲みものがのどを通り過ぎるスピードもちがうので、そうした点も身体が自動的に判断して動きを変えます。
しかし、色々な原因によって、そうした調整がうまくいかないことがあります。
そうすると、食べものが気管に入り「ムセる」という症状が出ます。
また,飲み込むのに力が必要になったりします.


・チェック
お茶や汁物でムセたりしませんか?
飲み込むのに力が必要になったりしませんか?
薬が飲み込みにくくなったりしませんか?


どうでしたか?
ここまで、7つのお口の症状をご紹介しました。

上記の示した症状が出たということは、関連する「口腔機能」が低下しているということになります。
こうした。「口腔機能」の低下というのは、放っておけば改善する、というものではありません。
運動をしないと身体が衰えて日常的な動作が難しくなったりするのと同じように、お口も毎日の食事と歯磨きなどのご自身によるケア(セルフケア)によって維持されていきます。
また、適切な指導を受けることにより、より上手になっていきます。

上記は「評価基準」でありますが科学的根拠をもって、「お口の機能が落ちた」と判断することが可能です。
そして,それらを改善するという方法があるということです。
もし、ご自身で気になる項目があったり、自覚症状があるという場合はぜひご相談してみてください。
簡単な検査で口の衰えがわかり、そして日常的な訓練により、口の機能を回復することができるのです。


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次回では、
お口のなかのどのような機能が落ちているのか
どのように訓練をするのか
など具体的にみていきましょう。

いつまでも美味しいものを
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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