唾液の大切さ
2023/10/05
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唾液とは?
一般的なの唾液のイメージ
唾液はとても大切。
唾液があるないで虫歯のリスクはかなり変わってきます。
お口の中が乾く状態である『ドライマウス』は虫歯のリスクをかなり上げます。
つまり唾液は私たちのお口の環境を良い状態にしてくれる大変素晴らしいものなのです。
ところが、一般的に唾液(つば)にはよいイメージがないのが現実です。
慣用句では、「天に唾する」「唾をつける」など唾液は「汚いもの」という扱いになっております。
しかし、唾液には以下の機能があるいます。
・洗浄作用
・抗菌作用
・食塊形成作用
・消化作用
といった機能があります。
唾液は消化器と呼吸器の入り口である「ロ腔」で、人間が生きていくために重要な役割を担っています。
高齢者に対応する介護の現場では、唾液は「生命の水」とも表現されています。
唾液からわかること
唾液はお口の中に分泌されるため、血液や微生物を含んでいます。
よって、これまでも虫歯や歯周病のリスクを調べる検査の検体として多く用いられてきました。
唾液は血液に由来しているため、唾液に含まれる微量な血液由来成分を調べることで、全身疾患の発見につなげることもあります。
また、唾液中の成分を測定することによって、心理的ストレスを客観的に判定することができるのです。
では、唾液について少し見ていきましょう。
唾液の基本事項
人間の生命維持に重要な役割を果たし、多くの情報をもつ唾液は、1日に1〜1.5L分泌されています。
それなのに、口腔内から唾液があふれてこないのは、私たちは無意識のうちに唾液を飲み込んでいるからです。
唾液の組成としては99%以上が水で、残り1%をアミラーゼやムチン,イムノグロブリンA (IgA),重炭酸イオンといったタンパク質や電解質が占めています。
この唾液の由来は前述したように血液です。
唾液を産生する「唾液腺」には無数の毛細血管が存在し、血液が毛細血管を通過して変化したものが唾液なのです。
唾液と一言に言っても実はさまざまな分類があることはご存知でしょうか?
「純唾液」と「混合唾液」
採取方法の違いによる区別では上記の2種類に分けられます。
唾液腺の導管から直接採取した唾液を「純唾液」といいます。
そしてこれは無菌です。
一方、口腔内に分泌された後に採取された唾液を「混合唾液(全唾液)」といいます。
こちらは血液や微生物、食物残渣などを含んでいます。
「安静時唾液」と「刺激唾液」
採取時の刺激の有無による区別では、「安静時唾液」と「刺激液」に分けられます。
「安静時唾液」は咀嚼などの刺激がない状態でも自然に分泌される唾液です。
一方、「刺激唾液」は刺激によって分泌される唾液です。
「漿液性唾液」と「粘液性唾液」
唾液の性質による区別では、「漿液性唾液」と「粘液性唾液」に分けられます。
「漿液性唾液」は唾液腺腺房の漿液腺で作られる唾液で、水分や酵素が多くサラサラした唾液です。
一方、「粘液性唾液」は唾液腺腺房の粘液腺で作られる唾液で、多量のムチンを含んでいるためネバネバした唾液です。
唾液分泌のメカニズム
唾液を産生し分泌する組織のことを唾液腺と呼びます。
そして唾液分泌は自律神経によって制御されています。
なぜなら唾液腺は自律神経の交感神経と副交感神経の二重支配を受けているからです。
ほかの臓器では交感神経と副交感神経は正反対の作用を示す場合が多いのですが、唾液腺では交感神経・副交感神経のどちらが優位となっても、唾液分泌が促進されます。
しかし、それぞれ分泌のメカニズムは異なります。
交感神経を介した唾液分泌
交感神経はノルアドレナリンというホルモンにより活性化され、唾液腺の腺房細胞はおもに
タンパク質を分泌し、口腔内にはタンパク質を多く含むネバネバした唾液が分泌されます。
緊張すると口の中がネバネバした感じになるのはそのためです。
副交感神経を介した唾液分泌
副交感神経はアセチルコリンという神経伝達
物質により活性化され、唾液腺の腺房細胞は水分を分泌します。
口腔内にはサラサラとした水分を多く含む唾液が分泌されます。
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唾液の機能と成分
唾液には人間が生きていく上でとても大切な機能が備わってます。
それでは以下紹介していきます。
機能と成分
① 粘膜と歯質の保護作用
お口の粘膜と歯は滑らかな粘液である唾液によって覆われています。
唾液が微生物、タンパク質分解酵素、有害な化学物質や酸、摩擦から歯を守っています。
② 抗菌作用
唾液にはさまざまな抗菌物質が含まれており、お口の粘膜という身体の組織で、呼収器や消化器といったその先の粘膜臓器への外来微生物による感染を防御しています。
また、唾液中の抗菌物質が口腔内常在細菌叢のバランスを保っています。
③ 抗炎症作用
唾液には炎症部位で産生されたフリーラジカルを除去する物質が含まれており、抗炎症作用や抗がん作用があります。
④ 緩衝作用
唾液は口腔内のPHの調整を行っています。
ちなみにエナメル質の脱灰はPH5.5で開始されます。
唾液により歯の脱火が防がれます。
⑤ 菌の再石水化促進作用
唾液中に含まれるカルシウムとリン酸塩が、エナメル質の脱灰を防ぎ、再石灰化を促進しています。
⑥ 食塊形成作用
噛み砕いた食べ物は睡液により塊となり、咀嚼しやすくなります。
⑦ 消化作用
唾液中のアミラーゼにより,食物中のデンプンがマルトース(麦芽糖)に消化されます。
⑧ 自浄作用
唾液中のムチンが口腔内の食物残渣や微生物を吸着し、水分によって洗い流します。
よって、唾液が正常に分泌されていれば、頻繁に歯磨きをしなくてもお口の中はある程度清潔に保たれます。
⑨ 味覚刺激に対する作用
電液は食物の成分を溶解・分解し、舌にある味蕾に運ぶことで味を感じさせるのに役立ちます。
⑩ 発声作用
唾液の分泌が低下して口が乾くと、うまくしゃべれなくなり、声も出にくくなります。
唾液が減少するとどうなる?
唾液の分泌が減少することで、さまざまな病気が引き起こされる可能性があります
虫歯
唾液による緩衝作用や歯の再石灰促進作用、自浄作用が低下するため、虫歯の発生のリスクが高まります。
唾液腺の細胞が破壊され唾液分泌が低下するシェーグレン症候群の患者さんは、虫歯の発生率が高いことがわかっています。
歯周病
唾液の抗菌作用の低下で口腔常在菌叢のバランスが崩れ、歯周病原細菌が増加し、また抗炎症物質の減少により、歯周病のリスクが高まります。
さらに歯周病が関与している全身疾患(糖尿病、動脈硬化症、関節リウマチ、早産、認知症)の発症リスクが高まる可能性もあります。
上気道感染症
唾液中の抗菌作用の低下、特に唾液中IgAの量が減ることにより、風邪やインフルエンザといった上気道感染症にかかりやすくなります。
唾液分泌の低下により唾液中IgA量が低下した高齢者や糖尿病患者は、上気道感染症にかかりやすくなることが数多くの論文で報告されています。
誤嘸性肺災
高齢者では、加齢に伴い下機能は低下しますが、唾液分泌が減り、食塊形成作用が低下することによっても誤嚥のリスクが高まり、誤嚥性肺炎を誘発します。
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唾液の大切さを今日はお伝えしました。
食事をすることは唾液をしっかり出します。
よく噛んでしっかり出しましょう。
歯があることは自分の財産です。失ってからでは遅いのです。
今日も最高の笑顔で過ごして下さい。
門井歯科医院でした〜
一生守っていけるようサポートしていきます!