クローズドロックを放置すると、“一生口が開かなくなる”可能性があるって知ってた?|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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クローズドロックを放置すると、“一生口が開かなくなる”可能性があるって知ってた?

2025/07/01

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クローズドロックを放置すると、“一生口が開かなくなる”可能性があるって知ってた?

「朝起きたら口が開きづらい」「あくびをしたら突然口が閉じにくくなった」「大きく開けようとすると顎が痛い」
――そんな症状、もしかすると“クローズドロック”かもしれません。
顎関節症の中でもクローズドロックは、放置してしまうと慢性化し、日常生活に大きな支障をきたすケースもあります。
この記事では、クローズドロックについて知っておきたい基礎知識と、放置するリスク、そして適切な対応方法についてやさしく解説していきます。

1. クローズドロックって何?

まず、「クローズドロック」という言葉、あまり耳慣れない方も多いかもしれません。
これは顎関節症の一種で、簡単に言えば「口を大きく開けられなくなる」状態です。

顎の関節には“関節円板”というクッションのような組織があり、口を開け閉めするときにこの円板が滑らかに動くことでスムーズな動作が可能になります。
ところが、クローズドロックではこの関節円板がズレてしまい、戻れなくなることで、物理的に口が開かなくなるのです。

「いつもより開けづらいな」「ガクガク音がする」程度の違和感から始まることも多く、最初はそれほど気にしない人も少なくありません。

2. 放置するとどうなる?“一生開かなくなる”って本当?

このクローズドロック、数日〜数週間で自然に改善するケースもありますが、放置して悪化していくと関節自体に変形や癒着が起きてしまう可能性があります。
そうなると、口の開閉がさらに困難になり、最悪の場合、外科的な処置が必要になることも
しかし現在は保存療法がメインのため外科処置はほとんどしていないのが現状ではあります。
そう、だから一度悪化したら他の治療と違い治療の手段が少ないため非常に怖いのです。

実際に、長年放置したことで関節がすり減ってしまったり、関節円板が完全にズレたまま戻らなくなったりする方もいます。
その状態が慢性化すると、日常的に指1本分も口が開かないという深刻な症状になることもあるのです。

口が開かないと、食事・会話・歯磨きといった基本的なことが難しくなり、生活の質が大きく下がります。
それだけでなく、顎の痛みから頭痛や肩こり、ストレスの蓄積など、全身の不調にもつながることが少なくありません。

3. こんなサインがあれば、すぐ歯科医院へ

クローズドロックは早期対応が何より大切です。
以下のような症状が出ている場合、なるべく早めに歯科医院や口腔外科を受診することをおすすめします。

•3日以上、口の開きにくさが続いている

•指が縦に2本以上入らない(通常は3本が目安)

•顎の関節から「カクン」「ジャリッ」という音がする

•顎を動かすと痛みがある、もしくは動かすのが怖い

•以前よりも食事がしづらくなった、顎に力が入らない

これらはクローズドロックの初期〜中期にみられるサインです。
早めに対応することで、簡単な処置や生活指導だけで改善する可能性が高まります

4. 歯科医院での治療と、家でできる予防法

歯科医院では、まずレントゲンやMRIなどで顎の状態を正確に確認します。
そのうえで、次のような治療法が検討されます。

•スプリント療法(マウスピース):歯への負担を軽減します
•開口訓練:軽いマッサージや運動で顎の可動域を広げます
•薬物療法:炎症を抑える鎮痛剤や筋肉の緊張を和らげる薬が使われます
•理学療法:温熱や超音波を使って筋肉を緩めることもあります

また、日常生活で以下の点に注意すると、再発や悪化を防ぎやすくなります。
•ガムやスルメなど硬いものを噛みすぎない
•寝る姿勢を見直す(うつぶせ寝は避ける)
•ストレスや歯ぎしりの対策をする(枕やマウスピースの見直し)
•頬杖や片側ばかりで噛む癖をやめる

大切なのは「痛みが取れた=治った」と思わないこと。
クローズドロックは“根本的なズレ”が起きている状態なので、専門的なケアが必要です。
顎関節症は現在『治る』という概念ではなく、『症状がおさまる』という概念です。
再発しないように、顎への負担を減らすこと(日常的な顎への負担の悪習癖など)が何より大切なのです。
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まとめ:クローズドロックは“早めの対処”が未来を守ります
いつか良くなるだろう」「放っておけば治るかも」と思っている間に、関節は確実にダメージを受けていきます。
クローズドロックは、早期に発見して、正しいケアを受ければ、ほとんどのケースで改善が見込めます。
もし少しでも「口の開き方が変だな」と感じたら、それは体からのサインかもしれません。
“当たり前に口が開く”という日常を、ずっと守っていけるように。
気になる症状があれば、ぜひ歯科医院で一度診てもらってください。

ほっとかないほうが良いこと、たくさんあります。
体の悲鳴はきちんと耳を傾けてください。
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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