「親知らずが進化の証拠」って本当?歯の進化の歴史解説
2025/08/29
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「親知らずが進化の証拠」って本当?歯の進化の歴史解説
「親知らずって抜いた方がいいんですか?」――歯科医院でよく聞かれる質問のひとつです。
親知らずは多くの人にとって「生えてきて痛い」「虫歯になりやすい」など、あまり良いイメージを持たれない存在ですよね。
しかし一方で、「親知らずは進化の証拠」といった言葉を耳にすることがあります。
なぜ親知らずが進化と関係しているのでしょうか。
今回は、人類の歯の歴史をたどりながら、親知らずの意味について解説していきます。
1. 親知らずの正体とは
まず、親知らずがどんな歯かを整理しておきましょう。
親知らずは「第三大臼歯」と呼ばれる奥歯の一番後ろの歯です。
通常、18歳から25歳ごろに生えてきますが、人によっては一生生えてこなかったり、埋まったままの状態で残ることもあります。
この歯が厄介なのは、顎のスペースが足りずに横向きに生えてしまったり、半分だけ顔を出して虫歯になりやすかったりする点です。そのため多くの人が「抜歯」を選ぶことになります。
ですが、もともと親知らずは私たちにとって必要な歯だったのです。
2. 昔の人にとっては「必須の歯」だった
人類の祖先は、現代人よりもずっと大きな顎を持っていました。
硬い木の実や生肉、繊維質の多い植物をすりつぶして食べるためには、強い噛む力が必要だったのです。
そのため、奥歯も今より多く必要とされ、親知らずを含めた合計32本の歯がしっかり使われていました。
実際、古代の人骨を見ると、親知らずもきれいに並んでいることが多いのです。
ところが、火を使い、調理を工夫し、やわらかい食べ物を食べるようになってから、人間の顎は少しずつ小さくなっていきました。
その結果、現代人の顎には親知らずのスペースが残されていないことが増えてしまったのです。
3. 「退化の証拠」としての親知らず
進化というと「新しい能力が追加される」イメージを持つかもしれませんが、実は「使わなくなったものが退化する」ことも進化の一形態です。
親知らずはまさにその代表例。
顎が小さくなった結果、親知らずがきれいに並ぶ必要性が減り、「あってもなくても良い歯」になりました。
実際、現代人の中には先天的に親知らずが生えてこない人が増えています。
研究によれば、日本人でも約3割は1本以上の親知らずが存在しないと言われています。
これは遺伝的に「親知らずが不要」と判断され、次世代に受け継がれている証拠でもあります。
つまり、「親知らずは進化の証拠」というよりは「人類が変化していく過程で、不要になりつつあることを示す証拠」と言った方が正しいのです。
4. 親知らずのこれから
では、このまま人類から親知らずは消えてしまうのでしょうか。
現代の生活では、調理されたやわらかい食事や加工食品が中心になり、顎を大きく使うことは少なくなっています。
さらに歯科治療や矯正の技術が発展したことで、親知らずに頼らなくても噛み合わせを整えることができるようになりました。
この流れを考えると、将来的には親知らずが完全になくなる可能性もあります。
実際、体毛や尾骨など、人間の体から消えていったものは数多くあります。
一方で、親知らずが移植用の歯として活用されたり、再生医療の研究に役立ったりと、新しい役割を担う可能性もあります。
「もう不要だから消える」だけでなく、「新しい価値を持つ歯」として未来に残っていくかもしれません。
まとめ
親知らずは、かつての人類にとって必須だった奥歯のひとつです。
しかし食生活の変化によって顎が小さくなり、現代では「問題を起こしやすい歯」になってしまいました。
•昔は硬い食べ物を噛むために必要だった
•顎が小さくなったことで不要になりつつある
•生えてこない人が増えており、退化の証拠といえる
•将来的には消える可能性もあるが、新しい役割を持つかもしれない
親知らずは、私たち人類の歴史を物語る「進化の痕跡」です。
もし親知らずで悩んでいる人がいたら、単に「抜いた方がいい嫌な歯」ではなく「人類の進化を感じさせる歯」だと思うと、少し見方が変わるかもしれません。
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